腰部脊柱管狭窄症

 脊柱管内を走行している神経組織(馬尾、神経根)と周囲組織(骨、軟部組織)との関係が何らかの理由で破綻し狭窄が生じたため、神経症状を呈する状態のことを脊柱管狭窄症と言います。

 腰部脊柱管狭窄は様々な疾患や病態が混在しているため、1つの疾患単位とするよりも種々の腰椎疾患にみられる1つの病態として把握しておく必要があります。

【分類】


先天性(発育性)脊柱管狭窄

脊柱管が正常より狭く成長したために生じた狭窄であり、軟骨無形成症の狭窄が代表的かつ高度にみられます。


後天性脊柱管狭窄


A.変性脊柱管狭窄

 大多数、男性に多い、多椎間に認められます。

 変性すべり症による狭窄は女性が多くL4-5に多いです。

   

B.合併狭窄

 先天性脊柱管狭窄と変性脊柱管狭窄が合併したり、変性脊柱管狭窄に椎間板ヘルニアが合併したりする場合のことです。

   

C.医原性脊柱管狭窄

 椎弓切除や脊椎後方固定術のあとに脊柱管が狭窄したものです。


D.外傷後の脊柱管狭窄


E.その他

    骨Paget(パジェット)病など。

画像出典 ‘標準整形外科学 第9版’


【症状】


神経性間欠跛行

歩行により出現する自覚症状と他覚所見から

・馬尾型 ・神経根型 ・混合型 に大別されます。

画像出典 ‘標準整形外科学 第9版’


体幹を屈曲したりしゃがみ込むなどにより、下肢に出現した症状が消失し歩き始めることができます。これは、他の疾患、特に閉塞性動脈硬化症による下肢痛との鑑別をするうえで極めて重要です。

馬尾性間欠跛行

自覚症状は両下肢、臀部、および会陰部の異常感覚が特徴です。

しびれ、灼熱感、ほてり、下肢の脱力感といった愁訴が多く、膀胱直腸障害を伴っていることがあります。疼痛は訴えません。

他覚所見は、多根性障害を呈します。アキレス腱反射が安静時に消失していることが多いです。

神経根性間欠跛行

自覚症状は下肢や臀部の疼痛が特徴です。

片側性の疼痛を訴えることが多いですが、両側性の疼痛を呈する事もあります。

神経学的所見は、一般にも単根性障害を呈します。


【診断】

神経性間欠跛行

歩行不可、あるいは立位負荷(Kemp徴候)で評価を行います。

閉塞性動脈硬化症による血管性間欠跛行とは、好発年齢が重なり鑑別が注意が必要です。

足背動脈の拍動や腰痛合併の有無は鑑別に重要ですが、決定的とはなりません。

画像出典 ‘柔道整復学 理論 第5版’

②画像診断

単純X線像では、脊柱管の骨性狭窄の有無を評価することは少ないです。外来診察では脊柱管のおおよその大きさを知るのに用いられます。

MRIは、脊柱管における神経組織と周囲組織との相互関係を把握し、狭窄状態と椎間板変性の程度を示します。骨性要素の把握は困難です。

T1強調像では、椎体、椎間板、黄色靭帯、神経根型、脂肪組織の評価

T2強調像では、加わっている圧迫の状態を評価

CTは、脊柱管や椎間孔狭窄の状態を観察できます。

画像出典 ‘標準整形外科学 第9版’

③神経根造影・ブロック

神経根性間欠跛行や神経障害の症例に対し、形態学的診断だけでなく機能的診断ができます。

神経根の圧迫や狭窄部位が陰影欠損としてとらえられます。


【治療】

神経根障害

保存療法、日常生活指導、薬物療法、ブロック療法、装具療法を組み合わせます。

改善しない場合は手術適用となる場合があります。手術は除圧術が基本で、症例に応じて固定術を併用します。

馬尾障害

有効な保存療法は少ないです。日常生活指導、薬物療法、腰部交感神経節ブロックなどを組み合わせます。改善しない場合は手術適用となる場合があります。手術は除圧術が基本で、症例に応じて固定術を併用します。

0回の閲覧

​たまるやスポーツ鍼灸整骨院

〒105-0004

​東京都港区新橋1-18-14 

三洋堂ビル本館 7F

TEL : 03-3593-5093  

  • Facebook Social Icon
  • Twitter Social Icon
  • YouTube Social  Icon
  • Instagram Social Icon