マレットフィンガー
マレットフィンガー
とはいわゆる突き指で、突き指で指がまがってしまった。DIP関節(第1関節)の屈曲変形を呈するものです。槌指、ハンマー指とも言われます。
強い衝撃によって骨性を伴うマレットフィンガーを「骨性マレット」
急激な屈曲によって伸筋腱の損傷、骨折を伴わない屈曲変形を「腱性マレット」と呼ぶこともあります。
必ず、レントゲン精査を行わなければなりません。
【 受傷機転 】
指の先端が何かに突き当たった時、一般的にバレーボールやバスケットボール、野球などの競技で起こることが多いです。
【 骨性マレットと腱性マレットを合わせた分類 】DIP関節=第1関節
・Ⅰ型(腱断裂型)→指先に外力が加わり、DIP関節に強い過屈曲力が作用し、背側に剪断力が生じて起こります。
・Ⅱ型(裂離骨折型)→ 指先に外力が加わり、DIP関節に強い過屈曲力が作用し、背側に剪断力が生じて起こります。
・Ⅲ型(関節内骨折型)→指先に外力が加わわり、末節骨関節面が中節骨骨頭に当たる、あるいはDIP関節が過伸展されて生ておこります。

DIP関節とは、指先の関節のことです。
【 骨性マレットの分類 】
骨性マレットを亜脱臼の有無と骨端離開の3つの型に分類したもの。
①骨片は関節面の1/3以下
②骨片は関節面の1/3~2/3
③骨片は関節面の2/3以上
骨性マレットの分類Ⅲ型(骨端線の損傷)は0~15歳にみられます。成長軟骨板が伸筋腱より弱いため、屈曲が強制されると腱が断裂せず骨端離開となります。
【 症状 】
・DIP関節は屈曲変形し、自動伸展は不能である。
・DIP関節部の腫脹、疼痛を認めることもある。骨折の場合
・マレットフィンガーの分類Ⅲ型で骨片が大きい場合には、遠位骨片が掌側に亜脱臼することがある。

【 治療法 】
・マレットフィンガーの分類Ⅰ型、Ⅱ型
一般に保存療法を適応します。固定期間が長期に及び、固定を継続しなければ屈曲変形が残存する可能性があります。
・マレットフィンガーの分類Ⅲ型
手術療法を適応します。
【 予後 】
・受傷後早期に適切に治療すれば予後は良いですが、放置されると屈曲変形が残存する可能性があります。さらにスワンネック変形を生じて機能障害を残すこともあります。
・装具装着期間が長期に及ぶため、装具の圧迫により皮膚の壊死を生じることがあります。そのためフェルトを当てたり、装具を変更するなどの対応が必要です。
・骨折を伴うⅡ型では再転位に注意する必要があります。

【 たまるやでの治療法 】
早期に適切な治療を行うことが重要です。
たまるやでは、、
微弱電流(MCR)の骨折モードと超音波の骨折モードで電気を当て治療を行います。
また、熱感があれば氷嚢で冷やします。
固定は毎回取り外し、衛生面の管理と褥瘡になっていないか必ず確認します。
機能障害が残らぬよう細心の注意を払って治療を行います。

画像出典
柔道整復学・理論編 改訂第5版