股関節捻挫とは
〇そもそも捻挫とは?
関節に力が加わっておこる怪我のうち、骨折や脱臼を除いたもの、つまりレントゲンで異常がない関節の怪我は捻挫とされる。
→したがって捻挫とはレントゲンでうつらない部分の怪我、ということになる。
→つまり、股関節捻挫と診断するにはレントゲンの撮影が必要です。
当院は症状を判別して頂くのに提携している病院で精査をお願いする事もあります。
〇股関節周囲の痛みの鑑別疾患
股関節周囲の痛みの鑑別はとても細かい。下記のように細かく分類されています。

(”出典:公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第3巻スポーツ外傷・障害の基礎知識”)
〇受傷機転
患者自身は受傷時に筋を挫傷した音・ 衝撃を感じることが多く、損傷した筋・腱が抵抗下の運動で痛みを生じる。
→内転筋損傷の中には大量の血腫を生じていてもはっきりした受傷機転が無くても徐々に痛みが増強して硬くなるために単なる内転筋の拘縮と間違えられることがある。
→外(内)閉鎖筋損傷は受傷機転や受傷時期がはっきりしないことが多い。
〇症状
・運動時痛
・圧痛
・腫脹
・炎症
〇診断
・ストレステスト(内転ストレス、挙上ストレス)
※股関節屈曲位での内旋、外旋で痛みが出る際は股関節唇障害を疑う
・画像診断
超音波(エコー):炎症の確認
MRI:損傷した筋肉の確認(股関節屈曲位での内旋、外旋で痛みが出る際は関節唇の確認)
レントゲン:剥離骨折、大腿骨頸部骨折、先天的股関節形成、鼠蹊部ヘルニア有無の確認
〇治療
基本的に筋/腱/腱付着/の捻傷・炎症は基本的に保存治療可能である。しかし、大腿二頭筋腱/半腱様筋腱/半膜様筋腱が付く坐骨結節周辺の損傷の場合、ハイアスリートでは手術を考慮しなければならない。
・急性期(~1週間)
アイシングなどで炎症を抑え、電気治療で消炎鎮痛していき、大切なのは包帯で安静な状態を作ってあげる固定が大切になってきます。
・亜急性期(1週間~)
1周間たったら、徐々に運動療法も取り入れて股関節を徐々にスタッフと一緒に動かしていきます。まだ、固定は症状によっては必要な期間です。
・慢性期(2~3週間)
ここからは固定も外れ、積極的に運動療法を取り入れて行っていきます。
当院の施設でトレーニングを指導もできます。特に、臀部(お尻の筋肉)のトレーニングが必要になっていきます。まずはご自身と向き合うために『姿勢評価』をお勧めします。
リハの流れとしては
ストレッチで痛み無し→可動域完全回復→ジョギング開始→徒手抵抗下での運動で痛みが出なればジョグのスピードを上げる
3~4週までは急激な切り返しやダッシュは避ける
(※重症例や再発例は8週まで避ける)
股関節は体重がのる関節です。スポーツなどによる繰り返しの痛みが中々とれない原因になります。どうして痛めたのか共に考える必要があります。
参考
公益社団法人 日本整形外科学会
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/sprain.html
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第3巻スポーツ外傷・障害の基礎知識
たまるやコア
https://www.tamaruyacore.space/
たまるやインソール