肩鎖関節脱臼
今回は肩鎖関節脱臼についてご説明します!
・肩鎖関節脱臼とは?
肩鎖関節が損傷または脱臼し、関節周囲の痛みや上肢の運動制限、筋力低下などを起こす傷害です。
・肩鎖関節の場所と構造
肩鎖関節とは、肩峰(肩甲骨)と鎖骨からなる関節です。肩甲骨と腕の運動を連動させるとても大事な関節になります。
また、この関節をつなぎ、肩鎖関節脱臼のキーポイントとなる靭帯をいくつかご紹介します!

肩鎖関節と肩鎖関節周囲の靭帯(“出典:標準整形外科学 第9版”)
①肩鎖関節靭帯
②烏口鎖骨靭帯(菱形靭帯、円錐靭帯)
上記の3つの靭帯が肩峰(肩甲骨)と鎖骨を繋ぎ、上肢の運動を可能にする重要な靭帯になります!
・受傷機転は?
肩鎖関節の脱臼は、肩からの転倒や衝突で肩の外側を強打することによって発生します。
例えば、、
・柔道で投げられて受け身を失敗して肩から落ちたとき ・ラグビーでタックルされた時に地面に叩き付けられたとき、スクラムを失敗したとき
・スキーやスノーボードで落下や障害物に衝突したとき などがあげられます。また、スポーツ以外でもオートバイから落ちた時や転倒した際に受傷することがあります。
重症度は?
肩鎖関節の損傷は、肩峰と鎖骨をつなぐ肩鎖靭帯、烏合鎖骨靭帯(菱形靭帯、円錐靭帯)の損傷具合によって3つに分類されます。
1度は肩鎖靭帯(図2)の軽度の損傷、捻挫です。
2度では肩鎖靭帯(図2)のみが断裂し亜脱臼の状態です。
3度では肩鎖靭帯(図2)、烏合鎖骨靭帯(図3)がともに断裂し、脱臼してしまっている状態です。→3度損傷の場合は手術適応の可能性もあります

肩鎖関節脱臼の分類(“出典:公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第 3巻スポーツ外傷・障害の基礎知識")
2度3度、特に3度では腫脹や痛みはもちろん、著明に鎖骨の外側端が突出するピアノキーサインが陽性となります。
また、鎖骨の骨折との鑑別や、損傷程度の評価にはレントゲン撮影やCT検査が必要です。
ラクビー選手などは何回も、何回も損傷するため治療せず、放置する方も沢山います。
・たまるやでの治療は?
当院ではまず患部を固定具や三角巾を用いて固定します。
整復位を保持するのが難しい場所ではありますが、靭帯が修復しないと、陳旧性脱臼(痛みは引いても脱臼した状態が続く)になり、肩をあげづらい、動かしにくいなどの症状が残る場合が多いので、まずは固定して安静にすることが大事です。
固定だけではなく、急性期ではより早く治すために超音波など電気治療中心に患部の組織の修復を促すようなアプローチをしていきます。
症状が落ち着いて来たら当院では治療に加えて肩甲骨まわりの筋力トレーニング、可動域改善のリハビリテーションを行います。
特にスポーツ復帰する場合は、しっかりと筋力を回復させ、肩関節まわりの動きを回復させることが重要です!
後遺症としては肩こりがおこる事が多いです。当然ですよね、骨の構造がおかしくなる分、筋肉に負担がかかるのですから。
また、リハビリテーションだけにとどまらず、
・投球フォームを改善したい!
・タックルの強度や精度を上げたい!
といったご要望に対して
パーソナルトレーニングを行うことができますので気になられる方はぜひお問合せ下さい!!