MCL損傷(内側側副靭帯損傷)とLCL損傷(外側側副靭帯損傷)
内側側副靭帯とは大腿骨の内側上顆から起こり内側半月の内側面、脛骨の内側顆につき、膝関節の外反及び下腿の外旋を制御しています。
外側側副靭帯とは大腿骨の外側上顆かから起こり腓骨頭につき、膝関節の内反と下腿の外旋を制御しています。(図)

内側側副靭帯損傷の方が外側側副靭帯よりも頻度が高く、前十字靭帯や半月板など他の損傷を合併することが多いです。
MCL損傷(内側側副靭帯損傷)
発生機序:膝関節に強い外反力が加わり損傷します。

症状:膝関節内側側に運動時痛、限局した圧痛、腫脹が
みられます。
重症時は受傷時に断裂音(POP音)が聞こえることも
あります。
膝関節に外反動揺性が出現します。
徒手検査法:外反ストレステスト(外反同様性テスト)
牽引アプライテスト
徒手検査のみでは判断しづらいこともあるため
MRIを撮っていただくこともあります。

"画像:整形外科 徒手検査法" 外反ストレステストを引用
LCL損傷(外側側副靭帯損傷)
発生機序:膝関節伸展位で強い内反力が加わり損傷します。
症状:膝関節外側側に運動時痛、限局した圧痛、腫脹が
みられます。
重症時は受傷時に断裂音(POP音)が聞こえることも
あります。
膝関節に内反動揺性が出現します。
徒手検査法:内反ストレステスト(内反同様性テスト)
牽引アプライテスト

"画像:整形外科 徒手検査法" 内反ストレステストを引用
治療法:MCL損傷もLCL損傷も治療法はほぼ同じです。
急性期はRICE処置を行いましょう(下記参照)
関節の動揺性がみられる場合は固定を施し、
免荷をします。
前十字靭帯損傷や半月板損傷を合併する場合は手術療法を行います。
たまるやでは、物理療法として微弱電流(マイクロカレント)、超音波などで修復を促し、テーピングをします。また、大腿四頭筋やハムストリングスを中心に運動療法を行います。
◯RICE処置とは
Rest(安静):損傷部位の腫張、血管・神経損傷を防ぐため に安静を保つことです。
Icing(冷却):腫張を抑えるために患部を氷で15〜20分冷却 します。
Compression(圧迫):患部の内出血や腫張を抑えるため軽く 圧迫をします。
Elevation(挙上):腫張を軽減させるため患部を心臓より高 い位置に挙上します。

運動療法
痛みが軽減してきたら徐々に機能回復訓練を行います。

"画像:下肢スポーツ外傷のリハビリテーションとリコンディショニング(リスクマネジメントに基づいたアプローチ”を引用
その後、競技復帰に向けてのリハビリトレーニングを段階を踏んで行います。